星に恋した。

俺はあの日、ゆーから由美さんと結婚すると聞いた。


それで留まってればいいんだ。


でも、あの日嬉しそうな顔をして彩名がラ・シェルに来てしまった。



ゆーには結婚することを彩名に言わないでほしかった。


俺は遠くからゆーと彩名の様子をうかがった。


楽しそうに話している彩名。


安心して片付けをしようとしたその時、彩名が走って裏に行ったんだ。


俺は作業を中断してゆーのところに行った。

「彩名、走ってどこ行ったんだ?」


「トイレじゃない?」

ニコニコしながらゆーが答えた。


「ゆー、彩名に何か言った?」


「俺、結婚するって言った!」


鈍感なゆーに苛立ちを覚えた。


「バカヤロウ!!」


そう言って俺は彩名の後を追った。


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