悪人きどり
「意味?なんの意味をです?好きと言う定義ですか?存在価値の定義ですか?数学的視点からあなたを図式に表し解明してほしいと?」
「違う!もう…いい!」
こいつ!
私をバカにして!バカにして!
立ち上がり、帰ろうとした腕を掴まれた。
強制的な制止に振り返れば頬を軽く叩かれた。
「冷静になりなさい。地道菫。あなたは若く幼い。いつも冷静さをかいている。孤独がそんなに辛いなら学生である身分を捨てればいい。あなたが友達を欲しているなら私が友となりあなたの話を聞きましょう。嫌な事は忘れて何も感じない人形に徹していれば何も感じないで笑えるでしょう?感情など無意味。無様に泣き咽ぶなら動じない人形になればいい。それでも変わらず私はあなたを愛し続けるでしょうから」
「人形とか…捨てるとか…ほんとわかんない!離せ!」
「逃げたいのですか?それではそれでもいいでしょう」
不意に離された。
先生は相変わらず熱い目で私を見つめる。
「また、明日。学校で」
まるで先生みたいに手を振ってきた。