悪人きどり
時間よとまれと願い帳然した
それは突然だった。
学校に行くと、机に置いてあった花瓶。
それは何時もの事。
構わず席に座れば水を頭の上から流された。
驚いて顔を上げれば、名前も知らないクラスメイトが笑っていた。
「お前さ、うざいよ」
「ぁ…ぇ?」
「いーからいーから」
教室中の笑い声、耳鳴りがして思わず耳を塞いだ。
「ブラウス透けて、下着見えてるぜ?」
いたたまれなくなって教室を飛び出せば、担任教師にぶつかった。
見て見ぬふりでなく、何一つ気づかない無能教師だった。
驚いた顔の先生と、静まる教室。
先生は私のブラウスが濡れているのを見て、私を抱きしめた。
「は…!?ぇ?」
突然の事で驚く。
「…お前ら、話しは後な」
ピシャリと先生の背後で扉が閉められ、私は先生に手を引かれ廊下を歩いていた。
混乱した頭の端で、わからずやの数学教師がこのダメ担任だったら王子様みたいなのになんて呑気に思ったりしていた。
先生に連れてこられたのは保健室だった。
保健の先生は今日はいない。