1年後のプロポーズ
電話をしている彼の背中を見つめながら、私は友人のプロポーズの話を思い出していた。
素敵な夜景を見ながら婚約指輪を渡される。
「いいなぁ……」
私たちには友人カップルのようなロマンチックなプロポーズはなかった。もちろん婚約指輪だって持っていない。
結婚しようと先に言ったのが私だから仕方ないけど、それでもプロポーズには憧れはあった。まぁ今さらこんなこと思ってももう遅いけど……。
そんなことを考えていると、ふとベッドの上に置かれている彼のカバンに目がいった。カバンなんて普段は持ち歩かないのに。
使い古してくたびれたカバンは口がぱっかりと開いていて中身が丸見えになっている。その中には某高級ジュエリーブランドの名前の入ったブルーの紙袋が入っていてーー
どうしてこんなものを持っているんだろう?
ちらりと彼に視線を移すと背中を向けたまま、まだ電話を続けているようだ。
夫婦とはいえ人の持ち物を勝手に見るのはいけないことだと分かってはいてもつい手が伸びてしまう。
私は彼のカバンからブルーの紙袋をそうっと取り出した。その中には白いリボンで飾り付けられた紙袋と同じ色のブルーの箱が入っている。
これってもしかしてーー
素敵な夜景を見ながら婚約指輪を渡される。
「いいなぁ……」
私たちには友人カップルのようなロマンチックなプロポーズはなかった。もちろん婚約指輪だって持っていない。
結婚しようと先に言ったのが私だから仕方ないけど、それでもプロポーズには憧れはあった。まぁ今さらこんなこと思ってももう遅いけど……。
そんなことを考えていると、ふとベッドの上に置かれている彼のカバンに目がいった。カバンなんて普段は持ち歩かないのに。
使い古してくたびれたカバンは口がぱっかりと開いていて中身が丸見えになっている。その中には某高級ジュエリーブランドの名前の入ったブルーの紙袋が入っていてーー
どうしてこんなものを持っているんだろう?
ちらりと彼に視線を移すと背中を向けたまま、まだ電話を続けているようだ。
夫婦とはいえ人の持ち物を勝手に見るのはいけないことだと分かってはいてもつい手が伸びてしまう。
私は彼のカバンからブルーの紙袋をそうっと取り出した。その中には白いリボンで飾り付けられた紙袋と同じ色のブルーの箱が入っている。
これってもしかしてーー