Only you...
『そっか。。。じゃ仕方ねぇなぁ・・・。』



桐野は少し残念そうな顔をした。



”そんな顔、あたしの前でしないでよ。あたしの決心が緩んじゃうじゃん。”



「あ、じゃぁ、あたし行くね??バイバイ。」



あたしは鞄を持ち、教室を出た。



下駄箱に着き、あたしはローファーに履き替えようとすると、



温かい涙が、あたしの瞳(め)を潤した。



それから次第に頬を伝って、流れてきた。



”もぉ。何で泣いちゃってんの??...馬鹿”



「もぉやだ。。。」



あたしはその場にしゃがみ込んだ。



よく考えると、こんな気持ちになるのは初めてだった。



漢字2文字で表すと『初恋』だ。



そんな初恋が、よりにもよって大親友の彼氏だったなんて....



こんな恋、消したいのに消しきれない。



あたしにとって桐野とは、とてつもなく大きな存在だったということを、今改めて実感させられたんだ。














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