黒猫の香音(後編)
「な、何言ってんですかい!


俺達だって姐さん達の事に誰もが賛同したんだ、姐さんの所為じゃあありませんよ、顔上げて下せぇ。」



そう言って白樺は慌てて瑠華を宥める。







「また何かやらかしたんか?

瑠華。」





貫禄のある男がそう言って近付いてきているのに気付き、瑠華と白樺はそちらを振り向いた。





「全く…あれだけバレねぇように処理しろと言っただろーが。


この"馬鹿娘"が。」





「………"親父"‼」






『親父』と呼ばれたその男は言うまでも無く瑠華の父親『金刺豪輝』である。





「まぁ、それはともかく丁度良い時に帰って来たな。


お前に会わせたい客人が居てな。」




「あのな親父…今それどころじゃ………



…………!?」




こんな非常事態にも能天気な父親に対し呆れる瑠華だったが、その客人を見るなり言いかけた台詞を思わず止める。






「久し振りだね。」
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