聖なる鐘が響く頃
「先月、プロポーズされたの。九州に転勤になったから付いてきてくれないかって」



体温が一気に下がっていく。
ほろ酔いのはずの頭が冷えていく。



「洋太に一番最初に報告したくて……ほら。」



実希ははにかみながら左手を差し出した。
その薬指には真新しい指輪が光っている。

今日会った時から付けていたのだろうが、全く気が付かなかった。



「今日洋太と会ってる事、彼も知ってるよ。九州に行く前にどうしても会っておきたい人がいるって話したの。だから大丈夫」




……嘘だろ?


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