聖なる鐘が響く頃
結局何も言い出せないまま、駅までの道を二人で歩いている。


歩道の両端に並ぶのは煌びやかな木々のイルミネーション。



……バージンロードってのはこんな感じなんだろうか。



白くて小さな電飾が、ちょうど雪みたいに見えた。



「うわー、すごい!キレイだね!」



酔いも手伝い興奮気味の実希は、さっきからずっと何かを話している。
しかし、俺の耳には一つも入ってこなかった。



最後なのか?
本当に、これで。




「……洋太と離れるなんて、考えもしなかった。」

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