それは、一瞬の出来事
10分ほど経ったがまだ一つも見えていない。
そんなものなのか、とぼんやりしていると
「私、別れたの」
え、
声にならない空気がひゅっと喉をかすめ、白く空中に消えた
「なん、で」
「私が望遠鏡とかカメラばっかり見てるからって言われたけど、きっと彼には他の子がいたの」
「前、すごく仲良さそうに、」
「でも、流星群一緒に見に来てくれなかった。1度も。私が望遠鏡たちだけを見始めた理由、あの人はわかってないの。彼、携帯に夢中だったもの。」