少年Bのわが街
夕刻の少年
昼下がりの
すごく暑い日
静かだった


真っ暗の
グランドピアノの鍵盤は
少年の頃の
ように冷たい


お前らは
泥棒やから、と立たされて
はじめて感じた
他人の視線


教室の
外から見える教室は
どこか空虚で
うそくさかった
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