囚われた花嫁
2.囚われた心
…それから徐々に、ご飯も食べれるようになった。
それから間もなくして、退院して、数日間、自宅療養した後、大学に復学した。
…そんな私のとなりには、いつも、光がいた。
片時もはなれないで、献身的に、私に尽くしてくれた。
とてもありがたかったが、私に笑顔が戻ることはなかった。
…それは何故なのか?
…光が傍に居ることは、星空を忘れさせてはくれなかった。
異母兄弟の二人。
二人は似ても似つかない。けれど、それを知ってる私にはそれが辛かった。
…あの告白以来、星空には会っていない。
会っていないのに、日に日に想いだけが増していく。
星空に心は囚われたまま、どこにもいけない気持ちだけが、くすぶっていた。
「…星ちゃん」
「…光先輩」
大学の講義を終えた私は、自宅へ帰ろうと、門のところまで来ていた。
そんな私を待っていたかのように、声をかけてきた光。
「…家まで送るよ」
「…」
「…星ちゃん?」
「…もう、」
俯いてしまった私の顔を心配そうに覗きこむ光。
私は俯いたまま、光に言った。
「…もう、一人で大丈夫ですから…だから、こんなことしてくれなくてもいいです。ずっと、傍にいたら光先輩が疲れてしまう。私のせいで、やりたいことも出来なくなるから」
…星空の事を忘れられない。
「…俺が傍にいたら、東條社長の事を忘れられない?」
光の言葉に、顔をあげた。
悲しげな光の顔…
そんな顔をさせたい訳じゃない。
それから間もなくして、退院して、数日間、自宅療養した後、大学に復学した。
…そんな私のとなりには、いつも、光がいた。
片時もはなれないで、献身的に、私に尽くしてくれた。
とてもありがたかったが、私に笑顔が戻ることはなかった。
…それは何故なのか?
…光が傍に居ることは、星空を忘れさせてはくれなかった。
異母兄弟の二人。
二人は似ても似つかない。けれど、それを知ってる私にはそれが辛かった。
…あの告白以来、星空には会っていない。
会っていないのに、日に日に想いだけが増していく。
星空に心は囚われたまま、どこにもいけない気持ちだけが、くすぶっていた。
「…星ちゃん」
「…光先輩」
大学の講義を終えた私は、自宅へ帰ろうと、門のところまで来ていた。
そんな私を待っていたかのように、声をかけてきた光。
「…家まで送るよ」
「…」
「…星ちゃん?」
「…もう、」
俯いてしまった私の顔を心配そうに覗きこむ光。
私は俯いたまま、光に言った。
「…もう、一人で大丈夫ですから…だから、こんなことしてくれなくてもいいです。ずっと、傍にいたら光先輩が疲れてしまう。私のせいで、やりたいことも出来なくなるから」
…星空の事を忘れられない。
「…俺が傍にいたら、東條社長の事を忘れられない?」
光の言葉に、顔をあげた。
悲しげな光の顔…
そんな顔をさせたい訳じゃない。