囚われた花嫁
指定の場所に着くと、ホテルのロビーにある受付に歩いていると、丁度エレベーターが開いた。
「…星空だ」
受付にお願いしようとした茶封筒を直接手渡そうとしたが、足が止まり、笑顔が消えた。
前に見かけたキレイな女性とエレベーターを降りてきた。しかも、あのときと同じように、腕を組んで。
「…笑ってる」
とても自然な笑顔で、星空が笑ってる。
胸がぎゅっと、苦しくなった。
その場に居られなくなった私は、受付に事情を話し、茶封筒を預けると、その場を急ぎ足で去る。
…ビクッ。
誰かが私の肩を掴んだ。
「…星、」
「…星空…あの、茶封筒は受付の人に預けてます。急いでるので」
肩の手を軽く振り払うと、逃げようとする。
が、星空は今度は手を掴んだ。
「…離してください」
「…泣きそうな顔をしてる理由を話さなければ、離さない」
「…」
「…星空?」
…星空?
もう、下の名前で呼ぶ人は、いないんじゃなかったの?
私はぎゅっと、口を真一文字に結び、星空の手をなんとか振り払い、ホテルを飛び出した。
「…星空だ」
受付にお願いしようとした茶封筒を直接手渡そうとしたが、足が止まり、笑顔が消えた。
前に見かけたキレイな女性とエレベーターを降りてきた。しかも、あのときと同じように、腕を組んで。
「…笑ってる」
とても自然な笑顔で、星空が笑ってる。
胸がぎゅっと、苦しくなった。
その場に居られなくなった私は、受付に事情を話し、茶封筒を預けると、その場を急ぎ足で去る。
…ビクッ。
誰かが私の肩を掴んだ。
「…星、」
「…星空…あの、茶封筒は受付の人に預けてます。急いでるので」
肩の手を軽く振り払うと、逃げようとする。
が、星空は今度は手を掴んだ。
「…離してください」
「…泣きそうな顔をしてる理由を話さなければ、離さない」
「…」
「…星空?」
…星空?
もう、下の名前で呼ぶ人は、いないんじゃなかったの?
私はぎゅっと、口を真一文字に結び、星空の手をなんとか振り払い、ホテルを飛び出した。