囚われた花嫁
…律儀にも、食べ終わった食器をちゃんとキッチンの流しに置いて、星空はまた、あの部屋に消えていった。
…中は見たことないので、なんの部屋かは分からないが、たぶん、書斎だろう。社長ともなれば、定時に帰るなんて無理だろうに、今日は早く帰って来た。
あの部屋で、仕事をしてるに違いない。
そう自分に言い聞かせて、片付けを始めた。…片付けが終わると、再びソファーに座る。
「…お風呂、入りたいなぁ」
あの部屋のドアを見つめる。まだ、仕事中かな。そんなことを思いながら、ドアをノックした。
「…あの、お風呂、入りませんか?」
「…」
やっぱり応答はない。…どうしよう。
そう思ったときだった。ガチャと勢いよくドアが開き、不機嫌な顔の星空が出てきた。
「…あの書類は見たのか?」
「…いえ、まだ、です」
恐る恐る答えれば、星空は溜め息をついた。
「…俺のことは一切気にしなくていい。干渉されたくない。掃除もしなくていいし、夕飯も作らなくていい。アンタは、アンタの好きなように動けばいい。干渉するつもりもない。詳しいことは、書類を見ろ、いいな?」
「…」
星空に圧倒されて言葉も出ず、無情にもドアは閉まってしまった。
…毎日…いや、こんな日が一生続くのかな。皆のためと思ったけど、これは相当辛いかもしれない。
私は肩を落としつつ、自分の部屋にいくと、着替えとタオルを持ちバスルームに向かった。
…。
寝る支度をした私は、ベッドに潜り込む。真っ暗な部屋、カーテンから微かに月明かりが入ってくる。
言い様のない不安や、寂しさに襲われて、なかなか寝付けなかった。
やっと深い眠りにつけたのは深夜。
いい夢を見た。…大きな温かい腕に包まれる。私は嬉しくて、涙を流しながら、その人に抱きついた。
…中は見たことないので、なんの部屋かは分からないが、たぶん、書斎だろう。社長ともなれば、定時に帰るなんて無理だろうに、今日は早く帰って来た。
あの部屋で、仕事をしてるに違いない。
そう自分に言い聞かせて、片付けを始めた。…片付けが終わると、再びソファーに座る。
「…お風呂、入りたいなぁ」
あの部屋のドアを見つめる。まだ、仕事中かな。そんなことを思いながら、ドアをノックした。
「…あの、お風呂、入りませんか?」
「…」
やっぱり応答はない。…どうしよう。
そう思ったときだった。ガチャと勢いよくドアが開き、不機嫌な顔の星空が出てきた。
「…あの書類は見たのか?」
「…いえ、まだ、です」
恐る恐る答えれば、星空は溜め息をついた。
「…俺のことは一切気にしなくていい。干渉されたくない。掃除もしなくていいし、夕飯も作らなくていい。アンタは、アンタの好きなように動けばいい。干渉するつもりもない。詳しいことは、書類を見ろ、いいな?」
「…」
星空に圧倒されて言葉も出ず、無情にもドアは閉まってしまった。
…毎日…いや、こんな日が一生続くのかな。皆のためと思ったけど、これは相当辛いかもしれない。
私は肩を落としつつ、自分の部屋にいくと、着替えとタオルを持ちバスルームに向かった。
…。
寝る支度をした私は、ベッドに潜り込む。真っ暗な部屋、カーテンから微かに月明かりが入ってくる。
言い様のない不安や、寂しさに襲われて、なかなか寝付けなかった。
やっと深い眠りにつけたのは深夜。
いい夢を見た。…大きな温かい腕に包まれる。私は嬉しくて、涙を流しながら、その人に抱きついた。