彼女は期待しない
部屋の他にレストラン、バーなどを見て回り、取材は終了。

歩き回った足を休めるべく、私達はカフェでひとときのブレイクタイムをとることにした。


「いいホテルだったね。さすがBEST5に入るだけのことはある」


注文を終えると高梨くんが切り出した。


「そうね。記念日にああいうところに連れていってもらえると特別感が味わえるわね。男性の目から見てどう思った?」


「全体的に良かったと思うよ。ただ、まぁ…すべてを回るとなると値段が気になるところだけどね」


「ああ…そうね。女性は招待を受ける側だものね」


小説やドラマだったら、恋人とホテルのレストランやバーで待ち合わせ、なんてシーンが当然のように出てくるものだけど、現実的に考えるとそう簡単にはいかない。

私もしがない会社員。
ひとり暮らしをしている身として、そのお金を捻出するのがどれだけ大変かはわかる。
誰もがお金持ちというわけじゃないのだ。

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