[野いちご初!?参加型小説] 彼のいなくなった理由
物語の終わり。
わたしは、謎を解いて、彼の部屋にきた。
部屋のドアには、彼の名前の『れんご』というプレートかを、かかっている。
わたしは、ドアを開ける。
見慣れた彼の部屋の景色。
彼との思い出が濁流のように、わたしに押し寄せる。
懐かしさと寂しさで、息がつまる。
でも、わたしは前に進むと決めた。
出てきた数字たち。
入力するのは彼のパソコン。
一つだけ、鍵のかかったファイルがあるのは、知っていた。
昔、冗談で開けようとしたら、真剣な目で「今はダメ」と止められた。
それでも、見たいとせがむと
「しりとりで勝ったら」と、条件をつけられ、
結局負けてしまった。
そういえば、彼は、しりとりを『鍋』からはじめる、不思議なくせをしていた。
今、わたしは彼の言うとおり「しりとり」をして、ここまでたどり着いた。
ファイルの名前は『ごをる』
つまり、ゴールだ。
そして、わたしは気付く。
わたしは、震える指で、キーボードを押した。
わたしは、真実が知りたい。