不器用な彼氏
『何か怪しくない?』
『?』
『いや、彼女。ああいうの俺、信用できないんだよね~』
『…嘘、ついてるってこと?』
東君が黙ってうなずく。
『まさか。一体何のために?そもそも意味無くない?』
『あの手のタイプの子って、皆に“大丈夫?”って言われたかったりしない?騙されちゃダメだよ、櫻木さん』
『そう…かな?』
言ってから、それはどうだろう?と思う。何せ、彼女の表情や態度は、到底演技をしているようには見えない。実際本当に辛そうだし、熱中症なら適切な処置をしなければ、もっと悪化してしまう。
しばらくして彼女が、ミネラルウォーターを1本買って戻ってきた。
『すみません、ありがとうございます』
『どう?少し気分は良くなったかな?』
『そうですね…さっきよりは…でも、手の痺れがまだ…』
やはり違和感があるようで、手のひらに視線を落とす。
『そっか。じゃここでゆっくり涼んでから、出た方が良いね』
努めて明るく、声をかける。身体に冷たい液体が入っただけでも、少しが熱を解放したのか、顔の赤みは引いたようだけれど、逆に彼女が元から持つ色の白さが浮き出てしまい、顔色が悪く見えてしまう。
しかし…これが演技だとは…信じがたい。
『?』
『いや、彼女。ああいうの俺、信用できないんだよね~』
『…嘘、ついてるってこと?』
東君が黙ってうなずく。
『まさか。一体何のために?そもそも意味無くない?』
『あの手のタイプの子って、皆に“大丈夫?”って言われたかったりしない?騙されちゃダメだよ、櫻木さん』
『そう…かな?』
言ってから、それはどうだろう?と思う。何せ、彼女の表情や態度は、到底演技をしているようには見えない。実際本当に辛そうだし、熱中症なら適切な処置をしなければ、もっと悪化してしまう。
しばらくして彼女が、ミネラルウォーターを1本買って戻ってきた。
『すみません、ありがとうございます』
『どう?少し気分は良くなったかな?』
『そうですね…さっきよりは…でも、手の痺れがまだ…』
やはり違和感があるようで、手のひらに視線を落とす。
『そっか。じゃここでゆっくり涼んでから、出た方が良いね』
努めて明るく、声をかける。身体に冷たい液体が入っただけでも、少しが熱を解放したのか、顔の赤みは引いたようだけれど、逆に彼女が元から持つ色の白さが浮き出てしまい、顔色が悪く見えてしまう。
しかし…これが演技だとは…信じがたい。