不器用な彼氏
『さぁ片付けて、お互い会場行かないとね。あなたの彼もどこかで、待っているんでしょう?』
『…あれ?お姉さん、髪そのままなん?結わへんの?』
『あ~結おうと思ってたんだけどね、アップにするには、ちょっと髪が短かかったみたい』
『そんなん、うちがやったげるわ!帯は無理やけど、髪のセットは得意やねん。お返しや!』
そう言うと、待ち合わせの時間を聞かれ、時計をちらりと見て『後10分か…余裕やん』と言うと、パウダールームの鏡の前に座らされる。
宣言通り、器用な手つきで私の髪を梳かし、左右の前髪を少しだけ残して、後は束にして、結っていく。おくれ毛は、いくつかのピンを使ってきちんと処理し、あっという間に、アップスタイルに仕上げてくれた。
『驚いた…上手ねぇ』
『なかなか、ええんちゃうん?彼氏さんも、これなら惚れ直すんやない?』
『あなたもね』
ひと周り近く離れている子と、お互いを嵌めあって、笑い合う。こんな出会いも、旅の醍醐味。
時刻はまもなく、待ち合わせの時間。
急いで脱衣所の鍵付きロッカーに荷物を入れ、彼女とは、互いの健闘を称え合い、そこで分かれて、各々待ち合わせの場所に急いだ。
『…あれ?お姉さん、髪そのままなん?結わへんの?』
『あ~結おうと思ってたんだけどね、アップにするには、ちょっと髪が短かかったみたい』
『そんなん、うちがやったげるわ!帯は無理やけど、髪のセットは得意やねん。お返しや!』
そう言うと、待ち合わせの時間を聞かれ、時計をちらりと見て『後10分か…余裕やん』と言うと、パウダールームの鏡の前に座らされる。
宣言通り、器用な手つきで私の髪を梳かし、左右の前髪を少しだけ残して、後は束にして、結っていく。おくれ毛は、いくつかのピンを使ってきちんと処理し、あっという間に、アップスタイルに仕上げてくれた。
『驚いた…上手ねぇ』
『なかなか、ええんちゃうん?彼氏さんも、これなら惚れ直すんやない?』
『あなたもね』
ひと周り近く離れている子と、お互いを嵌めあって、笑い合う。こんな出会いも、旅の醍醐味。
時刻はまもなく、待ち合わせの時間。
急いで脱衣所の鍵付きロッカーに荷物を入れ、彼女とは、互いの健闘を称え合い、そこで分かれて、各々待ち合わせの場所に急いだ。