不器用な彼氏
午後7時少し前。
パソコン上の画面と格闘していると、机の左端にコトンと、ホットミルクティーの缶が置かれる。振り返ると、ちょうど進藤さんが自分の席につくところだった。
『あ、ありがとうございます』
お礼を言うが、返事がない代わりに右手を軽く上げて、また黙々と机上に向かい、いつものように試験勉強に没頭する。
“アイツは優しいくせに、ホント素直じゃね~んだよぉ”
いつだったかの古賀主任のセリフを思い出し、“確かに…”と、思う。
ガタガタガタッ
『ひゃぁッ』
突然強い風が吹き、机の右側約1m程の近さにあるガラス窓が大きく震えた。その音の大きさに思わず出てしまった声が、あまりにも可愛くなく、とっさに進藤さんをちらりと見るが、全く気にも留めていない様子。突風と同時に、雨脚も急に強くなった様子で、大粒の雨が、窓に吹き付けては滝のように流れていた。
『地震かと思いましたね…』
自然と進藤さんに向けて発した言葉だったが、それに対して返ってくる返事はない。
もちろん、いつものことなので気にしないけど…。
パソコン上の画面と格闘していると、机の左端にコトンと、ホットミルクティーの缶が置かれる。振り返ると、ちょうど進藤さんが自分の席につくところだった。
『あ、ありがとうございます』
お礼を言うが、返事がない代わりに右手を軽く上げて、また黙々と机上に向かい、いつものように試験勉強に没頭する。
“アイツは優しいくせに、ホント素直じゃね~んだよぉ”
いつだったかの古賀主任のセリフを思い出し、“確かに…”と、思う。
ガタガタガタッ
『ひゃぁッ』
突然強い風が吹き、机の右側約1m程の近さにあるガラス窓が大きく震えた。その音の大きさに思わず出てしまった声が、あまりにも可愛くなく、とっさに進藤さんをちらりと見るが、全く気にも留めていない様子。突風と同時に、雨脚も急に強くなった様子で、大粒の雨が、窓に吹き付けては滝のように流れていた。
『地震かと思いましたね…』
自然と進藤さんに向けて発した言葉だったが、それに対して返ってくる返事はない。
もちろん、いつものことなので気にしないけど…。