不器用な彼氏
第9話 すれ違う心
時刻はまもなく午前0時を過ぎようとしていた。
窓際にあるベットに正座し、目の前にある無機質なスマートフォンをじっと見つめる。
どちらが先に電話をかけるかなど、決まってはいない。自分からかけるときもあれば、彼の方からかけてくることもある。特に約束などしていないのだから、話をしたければ、こちらから、かければいいだけ。
“何を躊躇してるのよ、私!”
意を決して、スマホに触れると、折しもベットサイドに置いておいた電波時計のアラームが『ピピッ』と短い音を鳴らし、日付が変わったことを知らせてくれる。
いくら恋人とはいえ、さすがにこの時間は、非常識かな?と、また迷い始めると、深夜の為にマナーモードにしていたスマホが、無音のバイブ音を響かせた。
ディスプレイに【海くん】の文字が光り、反射的にワンコールで出る。
『ハ、ハイッ』
『早ぇな』
『あ、うん。今、私もちょうどスマホ持ってたから…』
驚く彼の声に、良くわからない言い訳で誤魔化す。
窓際にあるベットに正座し、目の前にある無機質なスマートフォンをじっと見つめる。
どちらが先に電話をかけるかなど、決まってはいない。自分からかけるときもあれば、彼の方からかけてくることもある。特に約束などしていないのだから、話をしたければ、こちらから、かければいいだけ。
“何を躊躇してるのよ、私!”
意を決して、スマホに触れると、折しもベットサイドに置いておいた電波時計のアラームが『ピピッ』と短い音を鳴らし、日付が変わったことを知らせてくれる。
いくら恋人とはいえ、さすがにこの時間は、非常識かな?と、また迷い始めると、深夜の為にマナーモードにしていたスマホが、無音のバイブ音を響かせた。
ディスプレイに【海くん】の文字が光り、反射的にワンコールで出る。
『ハ、ハイッ』
『早ぇな』
『あ、うん。今、私もちょうどスマホ持ってたから…』
驚く彼の声に、良くわからない言い訳で誤魔化す。