不器用な彼氏
『あ?』
『今の会話・・・聞いてましたよね?』
何のことだ?と言わんばかりの無言の返答。私はあわてて
『森下さん、あのね…』
『進藤さん、去年まで櫻木さんとTMで一緒だったじゃないですか?進藤さんは、櫻木さんに彼氏がいるか知ってるんですか?』
間に合わず、ストレートに彼に聞いてしまう。
一瞬、彼がちらりとこちらを見る。
“ドキッ”
『知らねぇな』
視線はすぐにそらされ、
『…つーか、そいつに男がいるかどうかなんて、全く興味ねぇ』
『え~、本当ですかぁ?』
残念がる彼女に背を向け、そのまま黙って3階へ上がる階段に向かう。
『進藤さん、冷たい・・・』
思った以上に、冷たくあしらわれてしまったので、シュンとなる彼女。
『いつもは、言葉とは裏腹に、優しい進藤さんなのに、なんだか今のは、ちょっと…怒ってたかも?』
驚いた。この子は彼の本質を見抜いてる。こんな時だけど、本当の彼をわかってくれる人が、一人でもいてくれることに、少しホッとする。
『大丈夫。怒ってるわけじゃないよ。きっと仕事が忙しくって、一杯一杯なのかもね』
彼女へフォローを入れつつも、同時に自分自身へも、そう言い聞かせる。
“興味ねぇ”…か、キツイなぁ。少しは、ヤキモチ焼いてくれるかと思ったんだけど…。
『もう、ホントにだめかなぁ…』
彼の消えて行った、3階の階段を見上げながら、彼女に聞こえないくらいの小声でつぶやいた。
『今の会話・・・聞いてましたよね?』
何のことだ?と言わんばかりの無言の返答。私はあわてて
『森下さん、あのね…』
『進藤さん、去年まで櫻木さんとTMで一緒だったじゃないですか?進藤さんは、櫻木さんに彼氏がいるか知ってるんですか?』
間に合わず、ストレートに彼に聞いてしまう。
一瞬、彼がちらりとこちらを見る。
“ドキッ”
『知らねぇな』
視線はすぐにそらされ、
『…つーか、そいつに男がいるかどうかなんて、全く興味ねぇ』
『え~、本当ですかぁ?』
残念がる彼女に背を向け、そのまま黙って3階へ上がる階段に向かう。
『進藤さん、冷たい・・・』
思った以上に、冷たくあしらわれてしまったので、シュンとなる彼女。
『いつもは、言葉とは裏腹に、優しい進藤さんなのに、なんだか今のは、ちょっと…怒ってたかも?』
驚いた。この子は彼の本質を見抜いてる。こんな時だけど、本当の彼をわかってくれる人が、一人でもいてくれることに、少しホッとする。
『大丈夫。怒ってるわけじゃないよ。きっと仕事が忙しくって、一杯一杯なのかもね』
彼女へフォローを入れつつも、同時に自分自身へも、そう言い聞かせる。
“興味ねぇ”…か、キツイなぁ。少しは、ヤキモチ焼いてくれるかと思ったんだけど…。
『もう、ホントにだめかなぁ…』
彼の消えて行った、3階の階段を見上げながら、彼女に聞こえないくらいの小声でつぶやいた。