不器用な彼氏
にわかには信じられない話を聞き、容易に次の言葉が出てこない。
“それじゃストーカーと同じじゃねぇか?”と思いながらも、万が一のこともあるだろうと
『…あいつ(東)ナルシストだから、どうせ自分の顔、みてるだけだろう?』
そうであってほしいという願望も含めて、やっと言葉を絞り出す。
『いや、ボクも最初はそう思ったんですけどね、このことに最初に気が付いた翔子さんが、「皆が、帰った後にでも櫻木さんの席に座って、その鏡を見てみたら?」って言うんで、時間外に半信半疑で櫻木さんの席に座ってみたんですよ』
マツが、その時の事を思い出したのか、一呼吸し、少々興奮気味に続ける。
『そしたら、なんと!東さんの机の上の鏡に自分の顔がばっちり映っていて!あの鏡の中の自分と目が合った時の恐怖って、マジなかったっすよ!』
…握った拳に力を込める。
『そりゃ、もしつき合ってるとしても、ちょっと異常だよなぁ』
顔をしかめる本庄さんに、“100%変態だろ”と、声には出さずに即答する。
海成は、おもむろに机の引き出しから煙草を取り出すと、ポケットに突っ込む。
“それじゃストーカーと同じじゃねぇか?”と思いながらも、万が一のこともあるだろうと
『…あいつ(東)ナルシストだから、どうせ自分の顔、みてるだけだろう?』
そうであってほしいという願望も含めて、やっと言葉を絞り出す。
『いや、ボクも最初はそう思ったんですけどね、このことに最初に気が付いた翔子さんが、「皆が、帰った後にでも櫻木さんの席に座って、その鏡を見てみたら?」って言うんで、時間外に半信半疑で櫻木さんの席に座ってみたんですよ』
マツが、その時の事を思い出したのか、一呼吸し、少々興奮気味に続ける。
『そしたら、なんと!東さんの机の上の鏡に自分の顔がばっちり映っていて!あの鏡の中の自分と目が合った時の恐怖って、マジなかったっすよ!』
…握った拳に力を込める。
『そりゃ、もしつき合ってるとしても、ちょっと異常だよなぁ』
顔をしかめる本庄さんに、“100%変態だろ”と、声には出さずに即答する。
海成は、おもむろに机の引き出しから煙草を取り出すと、ポケットに突っ込む。