不器用な彼氏
机に置いてある、百均で購入した携帯スタンドを見ると、スマホのディスプレイに、メール受信を知らせる、オレンジのランプが点滅していた。
一週間ぶりにやっと来た彼からの連絡に、嬉しさ半分、不安半分、複雑な心境でゆっくりとメールを開く。
【5階階段脇の備品庫で待ってる】
題名は無題で、本文にその一文だけが書いてあった。時計を見ると午後4時30分を過ぎたところ。
どうしょう?これって今…だよね?高鳴る心臓の音に気づかれないように、意を決して、スッと席を立つと、
『櫻木さん、お客様で~す』
受付の諏訪ちゃんの声が、私を呼び止める。
見ると、いつもややこしい案件を持ってくる建設業者だった。なぜ、こんなタイミングで…正直、顔に出たのかもしれない。
『すみません、櫻木さん、こんな時間に。今、どこか行くとこでした?』
『いえ、全然大丈夫ですよ。』
申し訳なさそうに頭を下げる業者に、とっさに営業スマイルを披露し、もう一度席に座りなおすと、焦る気持ちを抑えて、いたって冷静に受け答える。
もうあとは、時間のかかる話じゃないことを祈るしかない。
一週間ぶりにやっと来た彼からの連絡に、嬉しさ半分、不安半分、複雑な心境でゆっくりとメールを開く。
【5階階段脇の備品庫で待ってる】
題名は無題で、本文にその一文だけが書いてあった。時計を見ると午後4時30分を過ぎたところ。
どうしょう?これって今…だよね?高鳴る心臓の音に気づかれないように、意を決して、スッと席を立つと、
『櫻木さん、お客様で~す』
受付の諏訪ちゃんの声が、私を呼び止める。
見ると、いつもややこしい案件を持ってくる建設業者だった。なぜ、こんなタイミングで…正直、顔に出たのかもしれない。
『すみません、櫻木さん、こんな時間に。今、どこか行くとこでした?』
『いえ、全然大丈夫ですよ。』
申し訳なさそうに頭を下げる業者に、とっさに営業スマイルを披露し、もう一度席に座りなおすと、焦る気持ちを抑えて、いたって冷静に受け答える。
もうあとは、時間のかかる話じゃないことを祈るしかない。