不器用な彼氏
案の定、建築主との話がうまくまとまっていない状態で、相談にきたものだから、結局何一つ決まらず、結論は先送り。次の打合せの日程だけを決めて、業者には早々にお引き取りいただいた。
それでも、時刻は5時過ぎ。
あれから30分近くも経ってしまっている。
仕事中だし、こんなに長い時間、待ってるわけないよね…?と、半ばあきらめつつ、ダメ元で、行くだけでも行ってみようと、席を立つと同時に、左斜め前の社員専用のスライドドアが開き、広域の本庄さんが顔を出す。
『なぁ、進藤、見なかったか?』
本庄さんは、誰にともなく声をかけると、目の前の直さんが『煙草じゃないの?』と聞き返し、古賀主任が『いや、俺、今そこにいたけど、進藤見なかったなぁ』と答える。
本庄さんの話だと、もう30分以上離席していて、戻ってきていないらしい。
“ドキッ”
心臓が再び、飛び跳ねる。
『私、ちょっと、席外しますね』
周りのTM数名に声をかけ、その返事も待たずに、小走りで5階へ向かう。
それでも、時刻は5時過ぎ。
あれから30分近くも経ってしまっている。
仕事中だし、こんなに長い時間、待ってるわけないよね…?と、半ばあきらめつつ、ダメ元で、行くだけでも行ってみようと、席を立つと同時に、左斜め前の社員専用のスライドドアが開き、広域の本庄さんが顔を出す。
『なぁ、進藤、見なかったか?』
本庄さんは、誰にともなく声をかけると、目の前の直さんが『煙草じゃないの?』と聞き返し、古賀主任が『いや、俺、今そこにいたけど、進藤見なかったなぁ』と答える。
本庄さんの話だと、もう30分以上離席していて、戻ってきていないらしい。
“ドキッ”
心臓が再び、飛び跳ねる。
『私、ちょっと、席外しますね』
周りのTM数名に声をかけ、その返事も待たずに、小走りで5階へ向かう。