塩顔男子とバツイチ女子


一年以上も大学で後をつけられていたのに、北斗は気にならないと言っていた。興味がないから気にならないと。普通は気味悪くなるし嫌がるんだけど、そこが北斗は違う。


「お待たせいたしました」


焼き立てのピザが運ばれてきた。マルゲリータとシーフードピザ。それからカルボナーラとボンゴレはシェア。先に運ばれてきていたサラダはほとんど美白が食べてる。


「美味そう」

「蒼、また何か予定立ててよ。私も北斗くんと遊びたい」

「北斗の春休みはバイトと読書と時々なつみさん」

「いつもなつみさんと会ってるわけじゃないんでしょ。だったら遊びに行こうよ」


バーベキューの時にイチャついてる二人を盗み見て美白は落ち込んでいた。二人が一緒にいる姿を見て、敵わないと。北斗を追いかけ回す事はやめると言ってそれ以降は本当に距離を置いた。俺が美白と仲良くなった頃は北斗北斗うるさかったけど、今はそれほど北斗の話題にはならない。会って話しても授業とかバイトの話だし。


「美白はさ、俺を何だと思ってんの」

「…え?」


正直俺は美白に一目惚れだった。大学に入って少ししてから、たまたま見かけた美白に一瞬で惚れた。でも学部も違うし友達は北斗しかいない。美白の名前すら知らなかった。
そのうち友達が出来て美白の事も分かって、一年くらいして告白をしたんだけど。

『女の子なら誰でも良さそうな、合コン行きまくってるようなチャラチャラした人とは付き合いたくない。能瀬くんにはもっと合う人がいる。私は好きな人がいるから能瀬くんとは付き合えない』

ボロクソにフラれた。そしてそれから間もなく、美白は北斗に最初の告白をして。美白はフラれた。

確かに俺は昔からずっと見た目チャラいしノリも軽いし、よく飲みに行く。子どもの頃から女友達も多い。でも結構一途。何せ美白を好きになってから女の子に声をかけられたり告白された事もあったけど全部断っている。
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