塩顔男子とバツイチ女子


「えっ、何?どういうこと」

「どういうことってそのままだよ。夜勤やるでしょ、朝終わる。でもお昼から仕事だから仮眠室で寝てそのまま仕事するって」

「マジか…。お前、労わってやんないと」


北斗ってどんな風に恋愛してるのか不思議なんだよな。高校時代に付き合ってた彼女ともそんなに連絡を取ったり会ったりしていなくて、結果それが原因でフラれたし。


「分かってるよ。でも難しい。なつみさん、どんなに疲れてても弱音吐かないから。俺、年下だし、頼ってもらえるようになりたいけど」

「歳に関係なく恋愛って大変だよな。お互いの性格もあるし自分がリードしてぐいぐい引っ張るか、常に対等でいるか、一歩引くか」

「あ~…そこで考えると対等でいたいかな。なつみさんも言ってたし」


俺はぐいぐい引っ張るタイプ。優斗は割と相手に合わせるタイプだから一歩引いてるタイプなのかな?北斗は高校時代、間違いなく何事にも引いてた。引きまくってた。ちゃんと成長してんだな。


「蒼は美白ちゃんと進展しないの?クリスマスに一緒にケーキ食べたんでしょ」

「しねぇんだよな~。大体、連絡来たの当日の朝だぜ?ケーキ食べるくらいなら付き合ってもいいよ♡って。どこも混んでるだろ、ふざけんなって話だよ」

「でも喜んで行っちゃったんだよな。事前にちゃんとお店探してたから」


北斗と喋ってる時も雑誌とかネットとか、しらみつぶしに良さげなカフェを探してたからな。
悲しいけど否定出来ない。


「うるせーな。そこがダメなんだよ俺は。何だかんだ言ってシッポ振って行っちゃうんだよ」

「昔からそういうとこあるじゃん。好きな相手には弱いっていうか。まぁ確実に尻に敷かれるよね」
< 156 / 191 >

この作品をシェア

pagetop