塩顔男子とバツイチ女子



「お前、マジ半端ないね。昨日福袋買ったんだろ、二つも」


昨日の夕方、美白から戦利品の写真が送られてきた。福袋はそれぞれコート一着にトップスとボトムスが二着ずつ、バッグとスヌードが入っていたらしい。


「それはそれ。蒼くんだって買ったんだからいいじゃん」

「たまたまね」


欲しかったスニーカーが偶然安くなっていて、たまたま俺のサイズが残ってたから買ってしまった。あとはキャップとリュックも。リュックは教科書にノートパソコンも入れてるから、大容量且つ頑丈なやつじゃないとすぐにヘタる。

美白はブーツとパンプス、それから服や小物を買っていた。


「美白は実家帰んねーの?てっきり年明ける前に帰ると思ってたけど」


地元は東京で、お父さんのお姉さん家族の家に居候している。


「明日の朝帰るよ。大学も結構ギリギリまであったし、バイトもあるもん。今頃親が叔母さん家に来てると思う」

「親来るのに出かけてていいの」

「言ってあるから。それに私、週末とかちょこちょこ帰ってるよ。蒼くんだって、おばあちゃんの家に行ったのに顔出してすぐにこっち来てくれたんでしょ」

「俺んとこは近いから。今日泊まりだから、また夜に行くし」


今日はみんなでばーちゃん家に泊まる。しかも夜はご馳走。


「蒼くんて家族大事にしてるんでしょ?北斗くんが言ってた。お母さんとすごい仲良しだって」

「いつの間に…。仲はいいよ。お互い何でも言うし買い物も付き合うし、ばーちゃんも一緒に住んでるから賑やか。兄貴はもう家出てるけど、毎日みんなで連絡してる。おはようとおやすみくらいだけどね。兄貴が家出た時に母ちゃんが生存確認しようって言って、それで」

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