塩顔男子とバツイチ女子



「虚しいよ。でもしょうがないじゃん…好きなんだもん」


ここまで好きだと言い続けてくれる気持ちはありがたいし、単純にすごいと思う。何度フラれても告白するなんてかなりの勇気が必要だろうし。


「…あの人の事、本気で好きなの?」


玉木は睨みつけるように俺を見てくる。ちょっと釣り上がってる、切れ長の目。


「この前言うの忘れたけど、あの人には絶対迷惑かけないで。俺が勝手に好きなだけだから」

「あの人は相楽くんの事なんて何も知らないって感じだったよ。私と同じくらいビックリしてたし。相楽くんがその場しのぎで言ったとしか思えない。大体どこがいいの?疲れ切った顔して、メイクしてても全然隠せてなくて、見た目ボロボロで。相楽くんとは合わないよ」


玉木とぶつかるくらいギリギリまで近づくと、ビックリしたのか少し後ずさった。俺から近づくなんて今まで無いからなのか、間違っていなければ玉木の表情は警戒心が表れている。


「俺は見た目で人を判断するのは好きじゃない。疲れ切ってる事の何が悪いの?それはなつみさんが一生懸命仕事してるからだと思うよ。俺とは合わないって、どうして決めつけられるのかな。俺はよく知りもせずに他人を否定するヤツは嫌いだ」
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