塩顔男子とバツイチ女子
5.年下の男の子
北斗くんに連絡出来なかったのは色々と理由がある。どれも言い訳にしかならないけれど。
飲みに行く時は誘ってと言われた。
軽いノリで言うような人ではないと思う。
だけど私より七つも年下の大学生の男の子を飲みに誘っても良いのか…。
それに仕事がとにかく忙しくて、疲れ果てて家に帰る日々。家でお酒を飲む気力もない私が北斗くんを誘えるわけがなかった。というか、忙しさを理由にする私がいけないんだけど。
北斗くんは“待ってたのに”と言ってくれた。いや、言わせてしまった…。
タイミングが合えば近いうちに食事でもと思って予定を聞いてみると、北斗くんもなかなか忙しくてびっくりした。週三日は朝から夜までビッシリ授業があって、他も夕方まで授業。その後にバイトして、土日は朝からバイトしているらしい。私が学生の頃よりも遥かに忙しい気がする。
だからなるべく私が合わせようと思ってそれを伝えると即レスがきた。
“金曜日はどうですか?楽しみにしてます”
待ち合わせは駅前。何を食べようかなぁ。若い男の子って何が好きなの?
そもそも離婚してからの半年、私は仕事をしまくっている。むしろ仕事しかしていない…。
異性と二人で出かける事自体、結婚前まで遡らなければならない程、遥か昔の事なのだ。