塩顔男子とバツイチ女子
翌日、大学は一限からだった。朝早いから眠くなるし、でもまだまだ授業は続く。夜までビッシリ。
「はあっ?何でお前、そんなしくじり方したんだよ」
昼休みはいつも通り食堂で。
蒼から昨日はどうなったのかと聞かれたから、一連の流れをかいつまんで手短に話した。
「分かんない。疲れてたのかな」
「で、玉木は?」
「今日はまだ見かけてないけど」
取ってる授業が違うからまず遭遇しないけど、一日一度は大体どこかで毎日声をかけられる。
「玉木、ヘコんでんじゃね」
「俺に言われても…」
「そりゃそうだな。で?その人、美人?ナイスバディ?」
蒼は身を乗り出して聞いてくる。向かい合って座ってるのに。
「あ、カレーに入った」
蒼の長ったらしい羽のネックレスの先端がカレーについた。
「え?うわ、マジ最悪だわ。北斗のせいだわ」
「自分のせいだろ」
蒼はウエットティッシュでネックレスを拭きまくっている。
カレー臭くなりそう…。
「いくつ上だっけ」
「七つ」
「年上のお姉様かー。でもまぁお前にはちょうどいいかもね。精神的に落ちついちゃってるから」
「落ちついてると年上がちょうどいいの?」
別に同じ歳でも年下でも自分が好きになった相手ならいいと思うんだけど。