塩顔男子とバツイチ女子


画面にはアプリの通知が表示されていて、北斗くんからだった。


“こんばんは。なつみさん、元気ですか?俺はやっと回復してきて今日大学行きました。まだ少し怠くて食欲は戻らないけど”


北斗くん、回復したんだ…。良かった。食欲がないって所が心配だけど。


“なつみさんに会いたいです”


ストレートな言葉が嬉しい。

今、北斗くんにあったらどんな感じかなぁ…。いつも通り仕事帰りはボロボロで、今は更にボロボロ。化粧が崩れてる上に目が死んでる、ついでに少しやつれてる気がする。

でもきっと北斗くんはこう言うだろう。

ボロボロなんかじゃない。一生懸命働いてる証。カッコイイと思う。って。


“こんばんは。体調回復してきたんだね。良かった。でも無理は禁物だよ。こっちは非常事態 で。週末からホームで胃腸炎が蔓延してるんだ。一週間休み無し&明日から夜勤三連続”


すぐに既読がついたけれど私は続けて文を打つ。


“とりあえず今週がピークだとは思うんだけど…。しばらく会えないけど、北斗くんもしっかり治してね”


私もいつ風邪を引くか分からないし。実際、二年前に当時の職場でインフルエンザに感染して、治りかけた頃に元夫にも感染…職場でも家でも地獄だった。


エンジンをかけた時、北斗くんから返事がきた。


“なつみさん、どんなに疲れてても弱音吐かないから心配。何でもない事でもいいんで、いつでも連絡ください”


北斗くんが私を心配してくれている。何歳になっても自分を気にかけてくれる人がいるのは嬉しい。

この言葉だけで私は今週頑張れそうだ。
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