塩顔男子とバツイチ女子



バイトを終えて外に出ると室内との温度差が激しくて身震いした。風が強いから凍てつくような寒さだ。

今年のイヴとクリスマスは土日だからいつも通りバイト。大学に入ってから書店でバイトを始めた。単純に本が好きだという理由からだったけれど色んな本を知れるし、いち早く新刊の内容もチェック出来る。時々ポップを書かせてもらえたり、なかなか楽しい。

大学が夕方までの時は十八時~二十二時まで、休日は朝九時~十八時までやっている。とはいえ週四だから大した稼ぎにはならないけれど。


昨日は蒼に、お互いクリスマス当日に予定が入らなければまた三人で過ごそうと言われた。
なつみさんにはまだ連絡していない。


コートのポケットに入れていたスマホが鳴って取り出すと、なつみさんからのメッセージを知らせるアイコンが表示されていた。


“北斗くん、久しぶり。ずっと連絡出来なくてごめんね。まだまだ忙しくて”


添付されていた写真には、祥太くんを抱っこするなつみさん。サンタクロースの帽子を被っている。


“なつみサンタさんだ”


なつみさん、痩せたのかな…。何だか顔が小さくなっているような気がする。


“なつみさん、明日会えませんか”
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