塩顔男子とバツイチ女子


クリスマスなんて意識した事がないけど。何せ高校時代の彼女とはクリスマスを過ごす事なく別れているし。あとはずっと蒼か優斗と一緒に過ごしている。


“仕事終わってからなら。北斗くんが元気になったらデートって約束してたもんね”


すぐに来た返信に思わずガッツポーズしそうになる。


“…でも私、今ものすごい酷い顔なんだよ。いつもフォローしてくれる北斗くんでも引くかも知れない”


きっと激務だったんだな…。休みが無くて夜勤三連続って言ってたけど、それだけでもキツいだろうに。どんなシフトだったんだろう。


“写真見る限りは酷い感じはしないけど…。なつみさん、痩せました?”

“写真は加工出来るから(笑)でも頬は痩けた気がする。ばあちゃんに老けたって言われたよ”

なつみさんは元から華奢な方なのに、体力落ちたりしないのかな。ハードワークだから体力勝負だろうに。


“北斗くん、食べたいものある?”


食べたいものかぁ…。この前の天ぷら屋さん、美味しかったな。でもクリスマスだからどこも混みそうだけど。


“なつみさんは?この前、なつみさんに連れて行ってもらったし”


駅に向かって歩きながら考える。
世間ではクリスマスってどんな所で外食するんだろう。うちは昔から母が手料理を並べていたし。チキンの丸焼きやハンバーグは定番で、近年はローストビーフも出てるかな。ケーキはいつも必ず親父が買って来る。
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