塩顔男子とバツイチ女子



“私は特に食べたいものはないかなぁ。昨日やっとまともに食事したから、今それで満足しちゃって。あ、でも、何を食べるかより誰と食べるか派”


…やば。この答え、何かちょっとやばい。


“俺もそれ派です”


誰とどんな時間を過ごすか、それが大事。クリスマスだからってわけじゃないけど、やっぱりなつみさんと一緒にいる時間て特別だし。


“北斗くんとは気が合うね”


何気ない言葉が嬉しい。

そういえば、なつみさんと俺はどんな関係なんだろう。初めて食事をした日、なつみさんは弟に接するのとは違う気がすると言った。という事はその括りではないと思う。

なつみさんは俺の事どう思ってるんだろう。友達?年下のボーイフレンド?


“なつみさんにずっと聞きたい事があって”

“何?”

“俺の事、どう思ってますか”


蒼に、なつみさんに聞けよと言われたけれど。。本当なら聞かなくても悟れる人間になりたい。

既読になったけどなかなか返信がなくて。寒いんだからさっさと家に帰ればいいのに、なつみさんから返事が来るまでは動きたくなくて。


五分が過ぎた頃、ようやく返信が来た。


“ばあちゃんにも聞かれたんだけど、不思議なんだよね。北斗くんと一緒にいる事に違和感がなくて。何ていうか…一緒にいる事が自然て言ったらいいかな?どう思ってるかって事については自分でもよく分かってない。けど、好きでもない人と連絡取ったり会ったりはしないよ”


こんなに勘違いしそうな自分はいつぶりか…もしかしたら初めてかも知れない。なつみさんが俺を好きかも知れないって思ったらたまらなくて。やっぱり俺も単純な男の一人なんだと気づく。

早く明日になったらいいのに。

なつみさんに会いたい。

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