切リ取リマスカ?
写真を撮るだけなら簡単そうに感じられるけれど、今の楓先輩はあたしの顔を見るだけでビクついて逃げ出すような人だ。


そんな人が写真を撮ってくれるとは思えない。


「あ~もう、最悪」


友人たちを切り取ることで楓先輩を目立たない性格の生徒に変えることができた。


その頃まではうまく行ったと思っていたのに。


「まぁいっか。またチャンスはあるよね」


あたしはそう呟いて、スマホを閉じたのだった。
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