切リ取リマスカ?
☆☆☆
翌日。
あたしと大雅が一緒に登校してくると、サッカー部が試合で負けたと言う噂はすでに学校中に広まっていた。
みんなが大雅を見て憐れんでいるように見えて、イライラして来る。
大雅の頑張りを知りもしないで憐れむなんて失礼だ。
「心、ちょっと話がある」
教室に入る前にそう言われて、あたしは立ち止まった。
「え?」
「ちょっと、こっちに来て」
手を引かれ、ひとけのない階段へと移動して来る。
「話ってなに?」
大雅がこんな所にあたしを連れて来るなんて珍しい。
「俺、サッカーやめようと思うんだ」
その言葉にあたしの頭の中は一瞬にして真っ白になっていた。
今、なんて言ったの?
そう聞き返したいけれど、言葉にならない。
視線だけせわしく動き回して大雅を見る。
「驚かせてごめん。でも、昨日夜決めたことなんだ」
昨日の夜?
なにそれ、昨日試合が終わった時はそんな事言ってなかったじゃん。
次の試合に意気込んでたじゃん。
そんな気持ちがグルグルと回るだけで、なんにもならない。
「話ってそれだけだから」
そう言い大雅はあたしに背を向けて歩き出していた。
「た……いが……」
名前を呼んだけれど、その声は小さすぎて大雅まで届くことはなかったのだった。
翌日。
あたしと大雅が一緒に登校してくると、サッカー部が試合で負けたと言う噂はすでに学校中に広まっていた。
みんなが大雅を見て憐れんでいるように見えて、イライラして来る。
大雅の頑張りを知りもしないで憐れむなんて失礼だ。
「心、ちょっと話がある」
教室に入る前にそう言われて、あたしは立ち止まった。
「え?」
「ちょっと、こっちに来て」
手を引かれ、ひとけのない階段へと移動して来る。
「話ってなに?」
大雅がこんな所にあたしを連れて来るなんて珍しい。
「俺、サッカーやめようと思うんだ」
その言葉にあたしの頭の中は一瞬にして真っ白になっていた。
今、なんて言ったの?
そう聞き返したいけれど、言葉にならない。
視線だけせわしく動き回して大雅を見る。
「驚かせてごめん。でも、昨日夜決めたことなんだ」
昨日の夜?
なにそれ、昨日試合が終わった時はそんな事言ってなかったじゃん。
次の試合に意気込んでたじゃん。
そんな気持ちがグルグルと回るだけで、なんにもならない。
「話ってそれだけだから」
そう言い大雅はあたしに背を向けて歩き出していた。
「た……いが……」
名前を呼んだけれど、その声は小さすぎて大雅まで届くことはなかったのだった。