切リ取リマスカ？

大雅は今までお金の貸し借りをするような人じゃなかった。


それが突然そんなことをするなんて思えなかった。


だけど、ハッと息を飲む。


何もかもが変わってきている事を思い出したのだ。


今までの大雅では想像もできないようなことが次々と起こっている。


「それって……本当なの？」


あたしは恐る恐るそう聞いた。


男２人は同時に頷く。


「俺は５万円だ」


金髪の男が言う。


「俺は３万な、合計８万。一週間前に貸して、今日返してもらう予定なんだ」


一週間前……。


大雅がサッカーをやめた日だ。


あたしはその場に座り込んでしまいそうになるのをなんとか我慢していた。


あたしの生きていた世界が１８０度変わっていくのが見えているようだ。