切リ取リマスカ?
☆☆☆

大雅を探し始めて2時間が経過していた。


河川敷にもサッカー場にも大雅の姿はなかった。


時々2人で行っていたお店も覗いてみたけれど、大雅の姿はない。


一体どこに行ってしまったんだろう……。


途方に暮れそうになった時、紀子が「別々で探してみよう」と、提案してきた。


「心は今まで通り大雅の行きそうな場所を探して。あたしと愛はお店の中まで入って調べてみよう」


街の中心部は数多くのお店が立ち並んでいる。


それを2人で調べて行くなんて、相当時間のかかる行為だった。


「いいの? 2人とも……」


「あたしたちのことは気にしないで。心は自分のことだけ心配してな」


紀子にそう言われて、あたしたち3人はバラバラになって大雅を探す事になったのだった。
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