切リ取リマスカ?
朝喧嘩をした後、一体どこへ行ってしまったんだろう?


まさか、事故にあったりなんてしてないよね?


あまりに見つからないため、不安が胸に膨らんでいく。


一旦大雅の家に行ってみようか?


今日は家に誰もいないと言っていたし、もしかしたらサボって寝ているだけかもしれない。


そう思ってベンチから立ち上がった時、スマホが鳴りはじめた。


あたしは慌ててポケットからスマホを取り出して画面を確認した。


紀子からの着信だ。


「も、もしもし!?」


慌てて電話に出る。


『心、今どこ?』


そう言う紀子の声は周囲の音で今にもかき消されてしまいそうだ。


「今、公園にいる」


『大雅を見つけたよ』


その言葉にあたしは一瞬息を飲んだ。


「本当に!?」


場所も聞いていないのに、足は公園の出口へと向かい始める。


周囲から聞こえる音からして、賑やかな場所なんだろう。


『うん。でも……』


紀子はそう言い、口ごもった。


「なに? どうしたの?」


『……心本人の目で確認した方がいいかも。今、ゲームセンターにいる』


「わかった、すぐ行く!」


あたしはそう言い、走り出したのだった。
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