切リ取リマスカ?
☆☆☆

それから放課後まで、紀子と愛はほとんど会話もないようだった。


いつもだったらご飯も3人一緒に食べていたのに、愛は今日当たり前のように教室の隅っこで1人で食べていた。


そしてそれを不思議がるクラスメートは1人もいなかったのだ。


そして、放課後。


教室からすぐに出ていてしまった愛を見て、あたしは大雅と一緒に帰ることにした。


紀子もアルバイトが入ってい菟るようで、愛とほぼ同時に教室を出て行った。


本当は2人と一緒に帰って色々と話を聞きたかったけれど、こればかりはどうしようもない。


あたしは大雅と2人で並んで歩きながら、大雅の様子を見ていた。


特に変わった感じはない。


相変わらずサッカーの話ばかりを繰り返している。


「今日、サッカーは休み?」


「あぁ、部活はな。でも一旦家に帰って練習に行く」


そう言う大雅は目を輝かせている。


本当にサッカーが大好きなんだとわかって、こっちまで嬉しくなった。
< 17 / 181 >

この作品をシェア

pagetop