切リ取リマスカ?
☆☆☆
翌日、あたしはいつもより遠くからサッカー部の練習を見ていた。
楓先輩に変な誤解を抱かせては悪いと思い、赤瀬君にも近づきすぎない事にしたんだ。
しかし、グラウンドに当の赤瀬君の姿は見当たらなかった。
それでも楓先輩はジッとグラウンドを見ていて、その目は松若君を追いかけているように見えた。
「まさか、ね……?」
楓先輩が赤瀬君以外の選手に目を向けるなんて、あり得ない。
そう思い、グラウンドに背を向けた時だった。
「浮田」
名前を呼ばれて視線を移動させると、そこには制服姿の赤瀬君がいたのだ。
あたしは瞬きを繰り返して赤瀬君を見る。
「こ、こんにちは!!」
なんでここにいるのかとか、なんで制服姿なのかとか、聞きたいことは沢山あった。
沢山あったけれど好きな人を目の前にして言葉はすべて消えて行ってしまった。
「ははっ。面白いなお前」
咄嗟に挨拶をして頭を下げたあたしを見て赤瀬君は声を上げて笑う。
あたしは自分の顔が真っ赤になっていくのを感じて、俯いた。
「毎日練習身にきてくれて、サンキュ」
「あ、あたしは、別に……」
翌日、あたしはいつもより遠くからサッカー部の練習を見ていた。
楓先輩に変な誤解を抱かせては悪いと思い、赤瀬君にも近づきすぎない事にしたんだ。
しかし、グラウンドに当の赤瀬君の姿は見当たらなかった。
それでも楓先輩はジッとグラウンドを見ていて、その目は松若君を追いかけているように見えた。
「まさか、ね……?」
楓先輩が赤瀬君以外の選手に目を向けるなんて、あり得ない。
そう思い、グラウンドに背を向けた時だった。
「浮田」
名前を呼ばれて視線を移動させると、そこには制服姿の赤瀬君がいたのだ。
あたしは瞬きを繰り返して赤瀬君を見る。
「こ、こんにちは!!」
なんでここにいるのかとか、なんで制服姿なのかとか、聞きたいことは沢山あった。
沢山あったけれど好きな人を目の前にして言葉はすべて消えて行ってしまった。
「ははっ。面白いなお前」
咄嗟に挨拶をして頭を下げたあたしを見て赤瀬君は声を上げて笑う。
あたしは自分の顔が真っ赤になっていくのを感じて、俯いた。
「毎日練習身にきてくれて、サンキュ」
「あ、あたしは、別に……」