切リ取リマスカ?
写真
それから数日間、あたしは予定通りサッカー部の練習を見に行っていた。


見るだけじゃない。


その風景を写真におさめるのだ。


その写真の中には必ず大雅の姿を入れておく。


部活が終わって1人グラウンドで練習をしている大雅の姿も、しっかりと写真に収めていく。


こんなに頑張っている姿を見れば、きっとサッカー部の先生は大雅を見捨てたりはしないはずだ。


「なにしてるの?」


昼休憩中大雅の写真を整理していると、クラスメートからそう声をかけられた。


「大雅の練習風景を撮ったの。見る?」


そう言い、スマホの画面を彼女へ向ける。


すると女の子は目を輝かせて「これ大雅君? うそ、めっちゃカッコいい!!」と、頬を赤らめたのだ。


その言葉を聞いて、次々とあたしの席に集まって来るクラスメートたち。


「今度大きな試合があるんだけど、そのレギュラーに選ばれるためにこうやって毎日練習してるんだよ」


あたしはそう言い、大雅の写真を次々と見せていく。


女の子たちが黄色い悲鳴を上げるたびに、少しだけ心配な気持ちにもなったけれど、これだけ頑張っていると言う事を知ってもらうことは嬉しかった。


「あたし、大雅君のこと応援する!」


「あたしも! 部活が終わってからも真っ暗になるまで頑張ってたんだね」


「ほんと、そんなの全然知らなかった」


大雅の頑張りを目の当たりにして口々にそう言うクラスメートたち。


その中には琉斗のファンだった子もいたりして、「今度からは大雅君を応援する!」と、張り切っていた。
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