切リ取リマスカ?
「そんなことして大丈夫?」


大雅の写真を見せ終えたあたしに紀子がそう聞いて来た。


「え、なにが?」


「大雅の写真、勝手に見せたりして……」


「え? なんでダメなの?」


あたしはわからなくて首を傾げる。


「だってさ、一生懸命練習している所とか、そんなに見せたくないかもしれないじゃん?」


「そうかなぁ?」


あたしは紀子の言葉に更に首を傾げていた。


一生懸命練習している大雅はとてもカッコいい。


クラスメートの子たちだって、カッコいいと言っていた。


それのどこが悪いのか、あたしにはわからなかった。


「とにかくさ、そういうのはあんまりしない方がいいよ」


紀子がそう言い終わるより前に教室のドアが乱暴に開けられた。


廊下から大雅が大股に入って来るのが見える。


あたしはすぐにスマホをポケットに戻した。


大雅は迷うことなく、真っ直ぐにあたしの方へと進んでくる。


「心、ちょっといいか」


大雅はあたしの手を掴み、歩き出した。
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