切リ取リマスカ?
サッカー部の部員にまでバレてしまわないように、気を使っているのだろう。


「その情報って、正しいの?」


「たぶんね」


紀子は大きく頷いた。


あたしはゴクリと生唾を飲み込む。


今すぐ結果を聞きたい。


きっと大雅が選ばれているはずだ。


だってあんなに頑張っていた。


それに、あたしは昨日あのアプリを使って琉斗とボールの間に線を引いたんだもん。


琉斗はサッカーをやめるかもしれない。


それは少しだけ申し訳ない気持ちになったけれど、大雅をレギュラーにするためなら仕方のない事だ。


「大雅はどうだったの?」


「え、なに?」


あたしの声は喉に張り付き、うまく紀子に聞こえなかったようだ。


「大雅は――」


また言いなおそうとしたとき、ガラッと音がして教室のドアが開いた。


外から愛が小走りに入って来る。


愛は真っ直ぐあたしたちの方へと駆け寄って来た。


そして、あたしの前に立つと「残念だったねぇ、心~」と、眉を下げて言ったのだ。
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