切リ取リマスカ？
予想通り
とても授業に出られる状態ではなくなった大雅を保健室に連れて行き、あたしは教室へ戻ってきていた。


琉斗が交通事故にあい、両足を切断しなくてはならなくなったという噂は、すでにいろんな場所で噂になっていた。


琉斗のファンだった女子生徒たちは大雅と同じように涙を流し、サッカー部の部員たちはみんな泣きはらした顔で放心状態だ。


授業を進める先生の表情もみんなどこか暗く、まるでお通夜のような空気が１年生の教室には立ち込めていた。


そして、昼休み。


あたしたち３人はいつも通りご飯を食べていたが、やはりみんな口数は少なくなっていた。


「昨日発表されたばかりだったのにね……」


一番早く食べ終えた紀子が呟くようにそう言った。


その目はうっすらと充血していて、泣いたことが伺えた。


「そうだね。残念だよね」


愛が痛みを耐えるような表情でそう言う。


あたしは何も言えなかった。


琉斗が事故にあって試合に出られない。


きっとその代理で大雅が選ばれるはずだった。


それがいつなのか気になって仕方がない。


琉斗には申し訳ないという気持ちがあるけれど、人と物との関係を切り取る事ができないのだから、こうするしかなかったのだ。
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