切リ取リマスカ?
☆☆☆
先生はあたしが大雅と一緒に早退することに目をつむってくれた。
傷心状態の大雅を1人で帰らせるのも危険だと考えてくれたようだ。
「大雅と2人で早退する日が来るなんて、思ってもみなかったなぁ」
2人で肩を並べて歩きながらあたしは明るい口調でそう言った。
「あぁ、そうだな」
大雅もできるだけ返事をしようとしてくれている。
天気は良く、梅雨明けも近そうだ。
「なぁ、心」
「なに?」
「手、つないでて」
大雅はそう言い、あたしに右手を差し出して来た。
あたしはその手を握り返す。
いつもと変わらない大きくて安心できる大雅の手が、あたしの手を包み込んだ。
「大雅、このまま病院に行っても大丈夫?」
「……あぁ。覚悟はできてる」
大雅は大きく頷いて、あたしたちは病院行きのバスに乗る事になったのだった。
先生はあたしが大雅と一緒に早退することに目をつむってくれた。
傷心状態の大雅を1人で帰らせるのも危険だと考えてくれたようだ。
「大雅と2人で早退する日が来るなんて、思ってもみなかったなぁ」
2人で肩を並べて歩きながらあたしは明るい口調でそう言った。
「あぁ、そうだな」
大雅もできるだけ返事をしようとしてくれている。
天気は良く、梅雨明けも近そうだ。
「なぁ、心」
「なに?」
「手、つないでて」
大雅はそう言い、あたしに右手を差し出して来た。
あたしはその手を握り返す。
いつもと変わらない大きくて安心できる大雅の手が、あたしの手を包み込んだ。
「大雅、このまま病院に行っても大丈夫?」
「……あぁ。覚悟はできてる」
大雅は大きく頷いて、あたしたちは病院行きのバスに乗る事になったのだった。