切リ取リマスカ?
「せっかく来てくれたんだ、ここへ座って」


お父さんがそう言い奥からパイプ椅子を2つ持って来てくれた。


ありがたく、それに座らせてもらうことにする。


「琉斗は……足は、もうダメなんですか?」


大雅が消え入りそうな声でそう聞いた。


お母さんはうつむき、ハンカチで目元を押さえる。


「あぁ……。事故で大型トラックに惹かれた時、一番損傷がひどかったのが両足だったんだ。原型を留めていなかったらしい」


お父さんが苦痛に顔を歪めながらそう説明した。


瞬間、あたしの脳裏に鮮明な映像が浮かんできた。


いつも通り学校へ向かっていた琉斗。


その横から大型トラックが走って来る。


トラックの速度はグングン早くなっていく。


琉斗がトラックに気が付き、一瞬立ち止まってしまった。


その間にもトラックは突き進んでくる。


次の瞬間、琉斗の体はトラックとぶつかっていた。


そのまま横倒しになる琉斗。


琉斗の足の上をトラックが乗り上げる。


バキバキと骨が折れる音が響き渡る。


タイヤが琉斗の上にある状態でトラックは停止し、運転席から人が出て来る。
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