切リ取リマスカ?
「あぁ。琉斗の両親からの推薦もあったし、1年生のレギュラーは俺で決まりみたいだ」


そう言いながらも大雅は全然笑顔を見せない。


喜ばしい事なのだからもっと喜べばいいのに。


「おめでとう……で、いいのかな?」


そう聞きながらも、あたしの脳内ではレギュラー決定のパーティーをどうするかという点に写っていた。


どうせだから琉斗が選ばれた時よりも華やかにしてあげたい。


クラス全員で祝福をするっていうのもいいかもしれない。


「あぁ。ありがとう」


ようやく微かな笑顔を浮かべる大雅。


どうしてそんなに喜べないのか、あたしには理解できない。


「琉斗、意識が戻ったってさ」


「へ……?」


突然話題が代わり、あたしは目を見開いた。


「どう思う? 目が覚めた時に自分の両足がなくなってたら……」


大雅にそう言われてあたしは言葉を失ってしまった。
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