切リ取リマスカ?
☆☆☆
それから通常通りの授業を受けていたがなかなか集中できず、脳裏には琉斗が事故に遭った時の映像が繰り返し思い出されていた。
ペンを置き、大きく深呼吸を繰り返す。
あたしは実際には事故を見たわけじゃない。
この映像はただの想像に過ぎない。
自分自身にそう言い聞かせないと、映像で視界がおおわれてしまいそうになる。
「紀子、大丈夫?」
そんなあたしを見ていた隣の席の愛が心配そうに声をかけてきた。
「うん……。最近色々あって、ちょっと疲れただけだよ」
あたしはそう言い、ほほ笑んで見せた。
もし脳裏に流れている映像が本物だとすれば、あたしは見ていない物が見えていることになる。
そんな事が現実に起こるなんて思えないけれど、もし起こるとすれば、間違いなくあのアプリが関係しているんだろう。
あたしはあのアプリを使って琉斗の両足を切り取った。
自分の理想通りに運んでいくための⦅副作用⦆とでも言おうか。
「心、授業終わったよ?」
そう言われて顔を上げると、鞄を下げた紀子と愛が正面に立っていた。
「え、もう授業終わり?」
キョロキョロと周囲を見回してみると、教室内にはもうあたしたち3人しか残っていないことがわかった。
「もう全然話聞いてないんだから。大雨で警報も出ているから午前中で帰れる事になったんだよ」
「大雨……?」
それから通常通りの授業を受けていたがなかなか集中できず、脳裏には琉斗が事故に遭った時の映像が繰り返し思い出されていた。
ペンを置き、大きく深呼吸を繰り返す。
あたしは実際には事故を見たわけじゃない。
この映像はただの想像に過ぎない。
自分自身にそう言い聞かせないと、映像で視界がおおわれてしまいそうになる。
「紀子、大丈夫?」
そんなあたしを見ていた隣の席の愛が心配そうに声をかけてきた。
「うん……。最近色々あって、ちょっと疲れただけだよ」
あたしはそう言い、ほほ笑んで見せた。
もし脳裏に流れている映像が本物だとすれば、あたしは見ていない物が見えていることになる。
そんな事が現実に起こるなんて思えないけれど、もし起こるとすれば、間違いなくあのアプリが関係しているんだろう。
あたしはあのアプリを使って琉斗の両足を切り取った。
自分の理想通りに運んでいくための⦅副作用⦆とでも言おうか。
「心、授業終わったよ?」
そう言われて顔を上げると、鞄を下げた紀子と愛が正面に立っていた。
「え、もう授業終わり?」
キョロキョロと周囲を見回してみると、教室内にはもうあたしたち3人しか残っていないことがわかった。
「もう全然話聞いてないんだから。大雨で警報も出ているから午前中で帰れる事になったんだよ」
「大雨……?」