切リ取リマスカ？
相談
３人で帰り道を歩いていると、雨は徐々に小雨に変わりはじめていた。


「なんだ、警報なんて出るような雨じゃないじゃん」


紀子が空を見上げてそう言った。


空の隙間からは太陽の光が差し込んでいるけれど、当たりはまだまだ薄暗い。


またいつ雨が降り始めるかわからない状況だ。


「ねぇ、これから３人でご飯食べない？」


不意にそう言ったのは愛だった。


「ご飯？」


あたしは驚いて愛を見た。


制服姿でどこかへ寄ろうと言っているのだろうか。


お店の人に補導されてしまうかもしれないのに。


そう思っていると、愛が「あたしの家、この近くなんだ。寄って行かない？」と、言って来た。


「なんだ、愛の家に行くのか」


紀子もあたしと同じような事を思っていたようで、ホッと息を吐き出した。


「もちろんだよ。２人ともお弁当持って来てるんでしょ？　だったらうちで食べて行きなよ」


そう言われて、あたしと紀子は目を見交わせた。


別に断る理由はないし、紀子は愛の家にいる猫を見て見たいと言っていた。


「それじゃぁお邪魔しようかな」


あたしはそう返事をし、紀子と２人で愛の家にお邪魔することになったのだった。
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