切リ取リマスカ?
紀子と愛が少し離れた席で聞き耳を立てているのがわかる。


「一緒にって、え?」


「1人だと寝付けなくても、2人でいると安心するかも……」


言いながら、どんどん顔が熱くなっていくのを感じる。


別に、いやらしい意味があって言っているワケじゃない。


大雅がしっかり休めるようにと思って言っているだけだ。


ただ、大雅が相手ならなにかがあってもいいと思っていることも事実だった。


「それは、そうかもしれないけど」


「明日は日曜日で予定もないし、あたしなら大丈夫だよ?」


「そっか……」


大雅が頬を少しだけ赤くして、考える素振りを見せる。


「必要ないなら、このまま帰るけど……」


そう言うと、大雅があたしの手を握りしめて来た。


「別にいいんじゃねぇの? 一緒にいれば」


その言葉にあたしは嬉しくなって、「うん!」と、大きな声で返事をしたのだった。
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